不動産担保ローンで気を付けること

    不動産担保ローンはとても利用の幅が広く、個人・事業主ともに使い勝手のよいローンといえます。

    ですが利点ばかりではなく、気を付けなければならない事も沢山あるということは忘れないようにしましょう。

    ■長期返済

    不動産担保ローンの良さの一つが長期返済が可能なことです。

    これにより月々の返済が少額で、負担が減ります。

    ですが返済期間が長期になる程に以下のリスクも大きくなることを忘れてはいけません。

    ・返済期間が長引くほど、利息の支払い総額は増える

    ・担保とした不動産を失う可能性が長期的に発生すること

    ・返済ができなかった場合、遅れてしまった場合、資産を失うことになる。

    ■所在地の限定

    金融機関によっては、担保とする不動産の所在地が限定される場合があります。

    首都圏や大都市圏に所有地が限定されることがあるので、不動産担保ローンを利用される方はよく確認をしましょう。

    ■融資を受けるまでの時間

    不動産担保ローンは利用の幅が広く、無担保に比べて融資を受けやすいものではあります。

    ですが、融資の上限を決定するために、不動産の価値を調査し、登記登録などの手続きが発生するため直ぐに融資を受けることはできません。

    実際に融資実行されるまで1週間程度かかるとされていますので、利用の際は時間に余裕をもっておきましょう。

    ■不動産担保ローンの費用

    不動産担保ローンで融資を受けるには、様々な費用がかかります。

    少なくとも、事務手数料・不動産調査料(不動産価値の評価)・収入印紙代・抵当権の登記費用を実費で支払わねばなりません。

    その費用は不動産によりますが、ものによっては数十万円とかかってしまうので、注意が必要です。

不動産担保ローンで聞く質権とは

不動産担保ローンを借り入れるときに、質権という言葉を見かけることがあります。

おおよそそのところが担保は抵当権を設定しており、質権設定をしているところは少ないですが、抵当権と質権は何が違うのでしょうか。

■抵当権と質権の違い

抵当権は担保とされたものを取り上げることはせず、担保提供者が使用し続けることができます。

質権は担保とされたものを貸主の手元に留め、担保提供者が使用し続けることはできません。

担保として質に入れたという事は、その財産(資産)の占有権を失ったということになります。

なので質権の場合、不動産の性質に従った収益を得ることができます。

例えば、アパートなどの収益物件を質に取った場合は貸出を行うことができ、家賃収入を得ることができます。

返済がされなかった場合、その物件を競売にかけ売却代金で資金回収をされるという点は同じです。

■何故”質権”があまり設定されないのか

質権は動産担保としてよく使用されますが、不動産で質権を設定しているところはほとんどありません。

不動産で質権があまり設定されていないのには理由があります。

単純な理由ではありますが、不動産(土地建物)を質として所有していても、貸主には使いようがないというのが理由です。

質権を設定し不動産担保を手元に置いておくよりは、そのまま継続使用をさせ資金を稼いでもらう方が良いからです。

不動産担保ローンと抵当権

不動産担保ローンで借入を考えるときに気になるのが、抵当権ではないでしょうか。

抵当権が第一位でなければ借り入れができないのか、というと実はそうでもありません。

■抵当権とは

債務者が返済をできなかったとき、担保とされた不動産を貸主が売却し資金を回収することができます。

(担保とされた不動産に対して貸主は抵当権を設定し、実際に売却をするときに抵当権を実行することができる。)

これを抵当権といいます。

■抵当権が第1位ではないとはどういうことか

抵当権が第1位ではないということは、貸主側が資金回収をできない可能性があるということです。

不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで万が一の時でも貸し倒れを防ぐことができます。

ですが、抵当権の順位が低いほどに、貸し倒れの可能性が増えてしまうのです。

例えば、A社200万(抵当第一位)、B社200万(第2位)、C社200万(第3位)の3社から総額600万円を借り入れていたとします。

物件価値が600万であれば、3社とも資金回収をすることができます、ですが物件価値500万であったなら、C社は貸付の半分しか資金回収をすることができません。

抵当第2位以下では融資を行わないという機関があるのはそのためです。

■抵当権が第1位でなければ不動産担保ローンは借り入れられないか

順位不動で融資を行ってくれるところもたくさんあります。

金融機関の場合は抵当権第1位であることを条件としているところもありますが、相談に応じて第2位以下であっても融資してくれる所があります。

抵当権が第1位でないからといって、不動産担保ローンを組めないということはありません。

不動産担保ローンがおまとめに向いている理由

不動産担保ローンは高額融資が可能なため、複数のローンを可能な限りまとめることができます。

物件価値の範囲内での融資であり、貸し倒れのリスクも低いというのも理由ですが、実は他にも理由があります。

■総量規制

ローンには総量規制と呼ばれるものがあります。

これは過剰貸し付けを防ぐため、年収の3分の1を超える借り入れができないように定められている規制です。

年収300万円の人は100万円までしか借り入れることができないという事です。

この年収ですが、給与所得だけではなく、家賃収入など不労所得も含んだ年収になります。

給与所得が300万だとしても、不労所得が300万あれば年収600万円、借入可能限度額は200万円になります。

※参照リンク→【URL:http://allabout.co.jp/gm/gc/293737/

■不動産担保物件は年収以上の融資も受けられる

総量規制のために年収の3分の1を超える借り入れはできないことになっていますが、この総量規制は無担保ローンに関しての規制です。

つまり有担保である不動産担保ローンは総量規制の対象外になります。

このため、年収に関わらず希望額の融資を受けられる可能性があります。

また、限度額が無担保に比べて高額なため、現在借り入れている複数のローンを全てまとめることも可能になります。

銀行系では限度額の関係で、全額まとめることが難しいという面があります。

ただし現在居住の自宅を担保にした場合、総量規制の対象になることがありますので、必ずしも年収以上が借りられるわけではありません。

■自分名義の不動産を持っていない時

不動産担保の名義が自分でなくても問題はありません。

自分名義でなくとも、家族や配偶者が担保提供をしてくれれば問題なく融資を受けることができます。

ただし気を付けなければならないことは、返済を怠れば不動産資産を失ってしまうということです。

不動産担保ローン借り換えのメリット・デメリット

不動産担保ローンではおまとめ・借り換えを推奨するような商品が多く見られます。

ですが、本当に自分にとって借り換え・おまとめが得なのかどうかは、きちんと考えるようにしましょう。

■メリットは?

メリットは不動産担保ローンは大方が低金利で長期返済ができるのため、月々の返済額が抑えられる点にあります。

また不動産を担保にしていることで、無担保よりもより審査が通りやすいというのもありますね。

■デメリットは?

デメリットは、不動産担保ローンでも借り換え・おまとめそのものでもありません。

しいていうのであれば、商品そのものになります。

単に返済期限が伸びただけで、完済時の総額を見ると元のものよりも支払利息が多くなっているものがあります。

■例えば?

元金100万、返済期間5年、年利10%のものがあるとします。

年間20万円ずつの返済ですから単純計算して支払利息は約30万、支払総額は130万円になります。

元金、返済期間を同条件とした場合、年利が8%になっていれば支払総額はそちらの方がお得になります。

ですがこれが、元金100万円、返済期間15年、年利8%になったらどうでしょうか。

年間14万ずつの返済として、単純計算で支払利息は約45万、支払総額は145万円になります。

月々の返済は抑えられていますが、結果として支払総額は返済期間15年、年利8%の方が高くなってしまいます。

一見すると返済が抑えられて楽になっているように感じますが、実際はそうではないという場合があります。

それを理解した上で借り換えするのは良いかもしれませんが、自分にとってそれが正しい選択かどうかはきちんと考えるようにしましょう。

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